私はこのブログで肩の障害は肩だけ見ていても治らないよと、よくお話ししてきます。
今まで話したところでは胸郭の制限は肩の障害に繋がるから、肩だけでなく胸郭にもアプローチが必要だよという話をしてきていました。
しかし、肩の障害に繋がるのは胸郭だけではありません。
そこで今日は前方頭位と肩の障害の関連性についてお話していきます。
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前方頭位とは
前方頭位とはどんな状態でしょうか。
前方頭位とは字の如く、以下の絵のように胸郭に対して頭が前方に変位している状態のことを指します。
パソコン作業やスマホを使う現代の人には多い姿勢かと思います。
この姿勢では、いわゆる肩こりなど、首や肩の症状に繋がりやすくなります。
それだけでなく、この前方頭位は腱板損傷や関節唇損傷など肩の障害にも繋がってしまう可能性もあります。
前方頭位の肩への影響
頭の位置が前方に変位することで、肩には大きな影響があります。
前方頭位は上位胸椎の屈曲と肩甲骨挙上・前傾を伴います。
この状態では肩甲挙筋の緊張が強くなり、肩甲骨の上方回旋や下制の制限となります。
この状態で肩を屈曲や外転するとインピンジメントが起きやすく、腱板や関節唇損傷など肩の障害に繋がります。
肩甲骨の制限だけでなく、前方頭位では上位胸椎が屈曲位に置かれます。肩の動きには胸郭の伸展が必要になるので、胸椎の動きが制限される事で、肩の制限となり、ここでも肩の障害に繋がるのです。
肩の障害に対して前方頭位への対処
肩の障害に対して、症状の出ている患部だけにアプローチをしても改善するケースは多くないと思います。
なぜなら上述したように、胸郭や肩甲骨の動きを改善する必要があるからです。
さらにそれだけでなく、今回のテーマである前方頭位への対処をする事で、肩、胸郭、肩甲骨の動きが改善します!
前方頭位を改善するアプローチとして、例えば、胸鎖乳突筋や後頭下筋群を緩めることも有効だと思います。
しかし、前方頭位にある方は筋緊張のアンバランスが起きている方が多く、マッサージや鍼だけでは改善しにくいケースがあります。
その時に有効になるのか
「自動運動」つまり患者様に
チンイントレーニングを行なってもらうのです。
そうすることで頭を後ろに引く筋肉に刺激が入り
頭を前方に変位させる筋肉たちの緊張は抑制されます。
神経の反射を利用して、筋緊張のアンバランスを改善するのです。
マッサージや鍼で緩みにくい、もしくは緩んでもすぐ緊張が戻るケースで筋緊張のバランスが悪い方には非常に有効な一手となります。
このような頭の変位へのアプローチを肩の治療に取り入れることで、胸郭のや肩甲骨周囲の緊張、動きが改善され、より効果の高い治療となります!
まとめ
今回は前方頭位と肩の障害との関連性についてお話しました。
肩の治療では、肩だけにアプローチしていても改善しないケースが多いです。
そこで肩甲骨や胸郭の動きを取り戻すことが大切になります。
さらにそれだけでなく、前方頭位にも着目したい。
前方頭位があると肩甲骨や胸郭の制限となり
それが肩の障害に繋がります。
その前方頭位改善へのアプローチとして胸鎖乳突筋や後頭下筋群を緩めるアプローチも有効です。
しかし、それだけでは緩まない。もしくは緩んでもすぐ緊張が戻ってしまうなんてケースは筋緊張のアンバランスが起きている可能性があります。
そういったケースには、直接緩めるのではなく、チンイントレーニングにより反射を利用して、筋緊張を緩和したバランスを取ることも有効な一手となります。
肩の痛みを訴える患者様が来院されたら、頭の位置も是非確認したいポイントですね!
今回は以上です。
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