最近、外側大腿皮神経の障害について相談が続いたため
今回は外側大腿皮神経について
またその症例について書いていきます。
外側大腿皮神経
走行
L2,3神経根から起こり、
大腰筋の外側から現れ、腸骨筋膜の下を上前腸骨棘に向かって下方外側へ斜めに走行します。その後、上前腸骨棘の内方約2cmで鼠径靭帯と縫工筋の間を通り骨盤外へ出て、上前腸骨棘の下方2~3cmで筋膜上に現れ大腿外側に分布します。

外側大腿皮神経は股関節伸展位で損傷を受けやすく、
損傷を受けた際の症状としては
大腿外側のしびれや疼痛、感覚鈍麻上前腸骨棘内側でのチネル徴候。↓図の外側大腿皮神経エリアに症状が出ます。
鼠径靭帯下での障害はベルトをきつく締め続けたケースや極度の肥満で起きるケースも見られます。
治療としては神経の絞扼を解き、損傷した神経線維を正常な回復に導きます。

脊柱管狭窄症と間違われる
歩くと痛みや痺れが強くなり、歩くのをやめて前かがみになると症状が落ち着くため
脊柱管狭窄症と間違われることがあります。
歩行時の股関節伸展で症状が現れ、前かがみで股関節屈曲位にすると症状が落ち着くんですね。
患者様のお話をよく聞き、評価をして鑑別する必要があります。
症例
ももの外側にじっとしていても痺れがあるAさん
まず腰部での損傷がないか確認します。
腰椎を動かしても症状に変化はありません。
どうやら腰椎の損傷はないようです。
そして骨盤部
骨盤がやや後傾しており、上前腸骨棘内方を押圧すると痛みが強く出ました。
チネル徴候ですね。
骨盤が後傾しているので、股関節は相対的に伸展位になります。
そのため、上前腸骨棘内側で外側大腿皮神経が絞扼されるのではないかと考えました。
まず骨盤後傾に対するアプローチをして
上前腸骨棘内方の絞扼部位に対してアプローチ。鼠径靭帯との癒着をはがしました。
私は股関節伸展位で絞扼部位にアプローチをすると痛みが強く出るため
股関節軽度屈曲位にてアプローチをします。
その後、チネル徴候も改善したところで
症状の確認をしてもらうと、痺れはなくなるようでした。
まとめ
外側大腿皮神経はL2,3神経根から起きる神経で、上前腸骨棘の内方約2cmで鼠径靭帯と縫工筋の間を通り骨盤外へ出て、上前腸骨棘の下方2~3cmで筋膜上に現れ大腿外側に分布します。
症状は、大腿外側のしびれや疼痛、感覚鈍麻
歩くと痛みや痺れが強くなり、歩くのをやめて前かがみになると症状が落ち着くため
脊柱管狭窄症と間違われることがあります。
評価として、
腰椎での損傷があるか腰部の評価を行い、鑑別をすることが大事になります。
今回は以上です。
この記事が治療家やトレーナー、その先の患者様の役に立ちますように!

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