膝蓋腱炎に対する徒手的プローチ

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暑さが落ち着きこれから運動がしやすい時期にりますね!

その反面、急に運動を始めると膝の痛みの相談が増えてきます。

膝関節疾患へのアプローチを知っていると

そんな膝の痛みに悩んでいる患者様の力になることができると思います!

ですので、今回は膝蓋腱炎に対するアプローチについて書いていきます✍️

ジャンパーズニー(膝蓋腱炎)とは

ジャンパーズニー(膝蓋腱炎)とは、ジャンプや着地を繰り返すスポーツや、走る動作を繰り返すスポーツに多くみられる膝の障害です。

痛みはお皿の下にある膝蓋腱に痛みが出現します。

症状は、走ったりジャンプだけでなく、ボールを蹴るなどの動作でも膝蓋骨の下部膝蓋腱に痛みが生じます。

原因は主にオーバーユース

使い過ぎによるものが多いと考えられます。

膝蓋骨の動き

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版 より引用

さて、そんな膝蓋腱炎

私たちはどこを見て治療をしたら良いのでしょう。

膝蓋腱に影響するのは〜。。。四頭筋を緩めます!!という方多いと思います!

他にも

股関節の動き

足関節の動き

などいろいろあると思いますが

今日は膝蓋骨の動きの制限

というところにフォーカスを当てていきます。

この膝蓋骨の動き

意外と見ていない人が多かった印象があります。

膝蓋骨の動きはどのようにみるのかというと

膝蓋骨の上(膝蓋骨底)に示指、膝蓋骨の下(膝蓋骨尖)に母指を当てて

膝蓋骨を上下にスライドさせてください。

それを健側と患側とで動きを比べます。

おそらく患側に動きの制限を感じると思います。

この状態で多いのは膝蓋骨が四頭筋に引っ張られ、やや上方変位しているケースが多く見られます。

この状態では膝蓋骨の下にある膝蓋腱も引っ張られ、通常よりストレスの強い状態になります。

この位置のまま運動を続けることで

膝蓋腱にストレスが蓄積され損傷してしまいます。

ですので、単純に四頭筋の硬さだけでなく膝蓋骨の動きや位置が正常かを見ることでアプローチの幅が広がります。

アプローチ

上述した膝蓋腱のストレスを解消するには、膝蓋骨の動きの制限を解消する必要があります。

そこでアプローチするのは、やはり四頭筋の硬さです。

そんなの当たり前じゃん~!なんて聞こえてきそうですが

やはり四頭筋を緩めることは大事なんですね!四頭筋は膝蓋骨の直上に硬さが強く出ていることもあるので、そこも丁寧に緩めます。鍼を使うのも良いでしょう!

そして、四頭筋を緩めた後に私がよく行うアプローチは

膝蓋骨の位置を修正するアプローチです。

膝蓋骨底に母指を当てて、膝蓋骨を下方にスライドします。(強すぎる力で圧をかけず、適度な力でスライドさせます。)

そして

膝蓋骨が上方に戻らないように下方にスライドさせたまま保持し、他動的に膝の屈曲、伸展の動きを起こします。

方法としては患者様に仰臥位に寝ていただき

患者様の足を床やベッドにスライドさせて屈伸運動を起こしたり

私は自分の片足をベッドに乗せて私の膝の上に患者様の下腿を乗せて、膝を両手で保持して膝蓋骨をコントロールしながら屈伸運動を行います。

このように膝蓋骨を下方に修正しながら屈伸運動を起こすことで、膝蓋骨上部の局所ストレッチになったり、膝蓋骨周囲の筋に促通がかかることで、位置が修正されると考えられます。

実際に四頭筋を緩めて、このアプローチをすることで

炎症が強くない患者様の痛みは解消することが多いです。

また膝蓋骨を下方にスライドさせず、膝蓋骨上の四頭筋の硬結に圧をかけながら膝の屈伸運動を起こすことでコンプレッションストレッチにもなります。

先日治療させていただいた、ジョギングが趣味で毎回10キロは走ってしまう患者様の膝蓋腱の痛みもこの膝蓋骨の修正アプローチを行うことで解消しました。

※足関節や股関節へのアプローチも行なっています。

膝蓋骨の動きを見たことがない方は、ぜひ参考にしてみてください。

最後に

炎症の強い時期は、無理に患部にアプローチをせずに炎症を引かせるアプローチを優先させることも大事です。 無理にアプローチすると痛みを悪化させてしまう可能性もあるので、炎症所見はしっかり見極めましょう。

今回は以上です。

若手治療家、トレーナーの皆様の参考になれば嬉しいです。

この記事が若手治療家やトレーナー、その先の患者様の役に立ちますように。




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