足関節の治療 ここを見よう!ー長母趾屈筋ー

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先日ご相談いただいた内容で

だった状態で膝を曲げていくと(スクワットの様な姿勢)足首の前側につまる感じがするんです。

という相談がありました。

一般の方の主訴でもたまに聞かれ

飛んだり跳ねたりするアスリートでは、よく聞く症状かなと思います。

昔は距骨と脛骨が当たるのかな?と思い距骨を押し込む様に動かしていた時期もありました。

それも必要なこともありますが、まずやらなくてはいけないことがあります。

今回はそんな足関節背屈時の足関節前面のつまりや痛みについて書いていきます!

先日は足関節底屈時の痛みについて書きましたが、今回は背屈について!

先日の記事→足関節の治療 ここを見よう! -足趾伸筋-

足関節背屈

まずは足関節のなかでも、距腿関節の背屈とは、どんな動きなのか見ていきましょう。

距腿関節とは脛骨と腓骨、距骨で構成される蝶番関節です。

関節包内運動は

凸面:距骨の距骨滑車関節面

凹面:脛骨の腓骨で形成される滑車関節面

背屈では距骨滑車は関節窩である脛骨滑車関節面、脛骨内踝および腓骨外踝の間に潜り込む様に後方に移動する。このとき遠位脛腓結合では腓骨が脛骨関節面上を、上方に滑り脛腓間を押し広げ距骨の後方への滑りを助ける

AKA関節運動学的アプローチー博田法第2版 より引用 

とあります。

AKA関節運動学的アプローチー博田法第2版 より引用   

これが足関節背屈での距腿関節の正常な動きで、この動きが妨げられるとつまり感や痛みに繋がります。

今回はこの距骨の動きにフォーカスします。

距骨の動きを妨げるもの

では、距骨の動きを妨げるものは一体なんでしょう。

距骨の後方への動きを妨げるもの。。。

つまり距骨を前方へ動かす筋か!!!

じゃあ、その筋は何かというと!!

・・・

そんな筋はありません!!笑

 

距骨って特異な骨なんです。

何が特異なのかというと

距骨にはまったく筋が付着していないんです。

その代わり、距骨は全体が関節面と靭帯付着部に覆われています。

カパンジー機能解剖学 2 下肢 より引用

では、改めて距骨の後方への動きを妨げるものは何か

上の写真をよく見てみましょう。

距骨の周りにある白い糸の様なものは筋や腱なのですが、その中でも7の腱は距骨の真後ろを通ります。

これ、距骨が後ろに下がろうとしたら邪魔そうじゃないですか?

これは何かというと、長母趾屈筋腱なんです。

長母趾屈筋

起始:腓骨後部の下部2/3および下方の骨間膜

停止:母趾末節骨の下面

この長母趾屈筋の硬さが強くなると距骨の後方への移動を妨げます。

すると、距骨は後ろに移動できない状態で背屈運動が生きるので

正常な足関節背屈の軸からずれて動くことで、ときには脛骨と距骨がぶつかってしまうこともあります。

すると足関節背屈時に、足関節の前面でつまり感や痛みが出てしまいます。

そのため、足関節背屈時に足関節前面でつまり感や痛みが出る患者様と出会ったら

長母趾屈筋の硬さを見てみると解決へのきっかけが掴めるかもしれません!

実際にご相談いただいた方も長母趾屈筋の硬さが強く出ていて

長母趾屈筋を緩めて距骨の調整をすることで症状は改善しました。

最後に

最後に注意点

当然、長母趾屈筋の硬さだけが足関節前面の症状の原因ではありません。

足趾伸筋や脛腓関節の影響もあるためしっかりと患者様の全身を見てアプローチしましょう。

また長母趾屈筋腱に炎症が起きている場合もあります。

その状態で患部に強い刺激を入れると炎症が強くなる場合もあるため、炎症所見は見逃してはいけません!

今回は以上です!

若手のうちは色々なケースを知っておくと、自分の治療に生かせると思うので

また、ここを見よう!シリーズ書いていきますね!

この記事が若手治療家・トレーナー、その先の患者様の役に立ちます様に。

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