今回は肩の治療について
肩の動きはとても複雑で、若手治療家の多くが
肩の症状に対する治療で悩みます。
・痛みや硬さのある部位に鍼や徒手でアプローチしたのに改善しない
・巻き肩が治らない
・肩峰下インピンジメントが治らない
などなど
私も昔
あれっ!?肩の緊張が全然緩まない。。。
緩む肩と緩まない肩の違いに悩みました。
肩の動きには多くの要素が関わり
様々な症状があるため
肩の痛みにはこれをやれば治る!!
なんて魔法の一手はありません。
ですが、数あるアライメントの崩れの中から
今回は肘と肩の関連性の一つについて
肩峰下インピンジメント症候群を例に書いていきます!
このブログでは
・肩の治療になぜ肘の治療が必要なのか
・肩峰下インピンジメント症候群の治療の一手に肘の治療が有効である
について書きました♪
痛みは患部を直接治療しても治らない!?
「痛みは患部を直接治療しても治らない」
これはよく聞くワードかもしれません。
私はこれについては
半分賛成、半分反対
だと思っています。
痛みの原因は様々ですが、痛みのある患部は
患部外のアライメントの崩れが原因で二次的にストレスがかかった場所であることが多いです。
つまり、患部外に原因があって二次的に患部に症状が出る。
これだけ聞くと、患部外の治療をすれば治ると思うかもしれませんが
そうじゃないんです。
患部外のアライメントの崩れにより
患部にはストレスが多くかかっていおり、痛みなどの症状がでます。
そのためストレスが多くかかっている患部へのアプローチは絶対に必要!
患部外の治療をして、それから患部にアプローチすることが大事だと私は考えています。
この記事では肩峰下インピンジメント 肘からのアプローチとあり
肘を治せば肩が治ると思った方もいるかもしれませんが
肘を治してから、患部である肩への介入は必要になります!
それを踏まえてこの記事を読んで、治療に生かしてください(^^)
なぜ肩の治療で肘へのアプローチが必要なのか
では、なぜ肩の治療に肘の治療が必要なのか
今回見る場所は
肘の伸展制限です。
肘の屈筋群の硬さなどの影響で肘の伸展制限があると
上肢下垂位で肘は屈曲位になりやすいです。
上肢の質量中心は、前腕の中心にありますので
肘が屈曲位にあると上腕がやや伸展位になり、肩が前に倒れてしまいます。
肩甲骨前傾位
胸郭も屈曲位
になりやすい。
このアライメントでは、僧帽筋や頸部の緊張が出やすく
さらに肩甲骨前傾で肩甲骨の動きが悪くなり
肩峰下でインピンジメントが起きやすい状態になります。
試しに肩甲骨を前傾させた状態で
肩を外転させてみてください。
(※肩に痛みのある方は注意してください)
肩峰下でひっかかり上がりませんよね!
肘の伸展制限がある方は、この可動域制限が起こりやすく
肩峰下インピンジメント症候群をはじめ、肩の障害に繋がりやすいんです。
また、このアライメントを改善しないまま肩の筋を緩めようとしても
なかなか緩みません。
こういった理由から
肩峰下インピンジメント症候群をはじめ
肩の症状改善のために肘へのアプローチが必要なのです!
肘に手術の既往等、器質的に問題がなければ、
前腕屈筋群や肘の屈筋群にアプローチすることで伸展制限は治ることが多いです。
また、腕神経の絞扼がある場合は、その絞扼を解くことも必要になります。
患部である肩へのアプローチ
何度も述べていますが
肘の伸展制限を治療したら
患部へのアプローチも大切です。
肘の伸展制限により肩甲骨は挙上・前傾しやすく(外転・前傾する場合もあります)
肩甲挙筋や小胸筋などは短縮位にあり硬くなりやすいです。
肘の治療をせずにアプローチをしても、なかなか緩まないことが多いです。
しかし肘の治療をすることで
肩甲骨を前傾に引き込むアライメントが改善され
肩甲挙筋や小胸筋は緩みやすくなり
さらに肩甲骨のアライメントが整うことで
患部へのアプローチの効きも良くなります♪
また徒手でのアプローチだけではなく
筋バランスを整えることも有効です。
肘の伸展制限により
肩甲骨が挙上・前傾していると
肩甲骨を下制させる
僧帽筋下部繊維の反応が落ちていることがあります。
こうなると肩甲骨挙上ー下制のバランスが悪い状態であるため
すぐに症状が戻ったり、すぐに肩の緊張が強くなったりします。
それを改善するために
僧帽筋下部繊維の反応を取り戻すエクササイズも必要です。
エクササイズは
マッスルインバランス改善のための機能的運動療法ガイドブック
より
ウォールエンジェル
が効きが良くおススメです!
まとめ
肩の治療で肘の治療が必要な理由は
肘の伸展制限が肩のアライメント変化を引き起こし
それが肩の緊張や肩峰下インピンジメントなどの原因となることが多いから。
肘の治療を終えたら二次的にストレスのかかった患部へのアプローチも大切です。
さらに肩への鍼灸マッサージ等アプローチだけでなく
筋バランスを整えるためのエクササイズを取り入れることも患部への負荷を減らすために必要になります!
今回は以上です。
この記事が治療家やトレーナー、その先の患者様の役に立ちますように。
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