服を脱ぐ動作で肩甲骨の裏が痛いー棘下筋へのアプローチー

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ご相談いただきました!

服を脱ぐ動作で腕を体の前で交差する時に、

右肩の後面が痛いと言う患者様

こういった症状の患者様の治療にあたり、どうアプローチしたら良いかという相談でした。

お話を聞くと肩の内旋や水平屈曲でも痛みがあり

棘下筋の炎症を疑いました。

話を聞いただけなので炎症の程度はわかりませんが、患部外からのアプローチも可能と考えるので

今回は棘下筋炎へのアプローチについて一例をご紹介します!

棘下筋へのテストなどは、検索するとたくさん出ると思いますので、割愛します。

 

棘下筋が緩まない

この症状は棘下筋が原因だ!

と思って、まず棘下筋にアプローチする治療家は少なくないと思います。

しかし、残念なことにそれだけでは緩まないことも多いです。

 

では何をすればよいかと言うと

棘下筋に負荷をかけているアライメントの崩れを見つけましょう。

私はこのブログの中で何度も言ってますね!

突発的な怪我は別として、患部は2次的に負担がかかって痛みを出していることが多いです。

 

相談者さんにアライメントについてききました。

すると肩は上がっていて(挙上)

仰臥位になったときに

患側の肩が前に出ていたそうです。

おそらく肩甲骨が挙上前傾しているのではないかと思います。

このアライメントでは肩甲骨の動きが悪くなり肩関節周囲に負担が大きくなります。

今回の患者様もその一人だと考えられます。

 

例えば、こんな方もいました。

肩を水平屈曲させると棘下筋に痛みが出るという体操選手

この方は肩甲骨が挙上、前傾してしまっていて

この状態では肩甲骨、鎖骨の動きの制限となり棘下筋に負荷をかけてしまいます。

その負荷を解消するため

肩甲骨のアライメントを修正すると

先程まで痛みのあった動きで症状は消失しました。

前傾した肩甲骨を調整する

棘下筋の硬さに対するアプローチとして、原因となる様々なアライメントの中から今回は肩甲骨前傾について書いていきます。

ちょうどよく相談者さんも肩甲骨が前傾位で棘下筋の硬さ、圧痛もありました。

そのまま棘下筋にアプローチしてもなかなか緩まず、なにより痛いですよね💦

そこで、肩甲骨前傾を戻してみます。

肩甲骨を前傾させる筋は

二頭筋

烏口腕筋

小胸筋 etc…

肘の伸展制限があっても肩甲骨は前傾になります。

詳しくはこちら

肩峰下インピンジメント 肘からのアプローチ

上述した筋や上肢、胸郭にアプローチすることで質問者さんの肩甲骨のアライメントは整いました。

肩甲骨と胸郭の関連性は深いです。

胸郭の問題で肩に症状が出ることも多いと思います。

詳しくはこちらに書いてます!

肩の痛みと胸郭の関連性

胸郭の調整をするために、腰部や腸腰筋などの調整も必要なこともあり、

腸腰筋と後脛骨筋は筋膜で繋がりが深いので肩の治療なのに脚にアプローチすることもあります。(ディープフロントライン)

 

アナトミー・トレイン第3版 徒手運動療法のための筋筋膜経線 より引用

胸郭や上肢より肩甲骨にアプローチし

アライメントが整ったところで、質問者さんの棘下筋にアプローチをします。

 

ここまでアライメントを整えると

「あっ!全然痛くないです」

と先程まであった圧痛は、解消されていました👍

 

硬さも初めに比べるとかなり緩んでいます。

まだ硬さは残るため、ここで棘下筋の硬さを丁寧に緩めました。

するとはじめには緩まなかった棘下筋はしっかり緩んでくれました。

アライメントを整えて患部へアプローチ

このように、棘下筋を緩めようと思った時に棘下筋をまず緩めるのではなく

まずは全体のアライメントを見て患部に負荷をかけていると思われるアライメントをしっかり戻していきましょう。

患部である棘下筋へのアプローチはその後の方が効きが良いことが多いです。

 

今回は質問をいただいた棘下筋炎へのアプローチとして

・私が経験した棘下筋の痛みへのアプローチ

・質問者さんの棘下筋の硬さへのアプローチ

を例に挙げてご紹介しました。

 

ただし、あくまで一例で私たちの治療に方程式はありません。

なぜなら患者様の体の状態や生活スタイルによって、状態は様々だからです。

もし方程式があるとすれば、とっくに攻略本が出ていますしね!

 

患者様によって様々である体の状態をどう読み解き治療するかが私たちの仕事の醍醐味ですね!

難しいところですが、反面面白いところでもあると思います。

しっかり勉強して、より多くの患者様の笑顔を増やしていきましょう!

何を勉強したら良いか迷っている方は、私が読んできてよかったと思える本をまとめていますので、参考にしてみてください!

おススメ書籍

最後に注意点、アプローチの例を紹介しましたが、強い炎症がある場合にはやはり安静が一番です。

炎症所見はしっかり見極めましょう。

この記事が若手治療家・トレーナー、その先の患者様の役に立ちますように。

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