これって足底筋膜炎?~脛骨神経内側踵骨枝の痛み~

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今日は先日ご相談いただいた足底の痛みについて

これって足底筋膜炎?いやちょっと違うかも?

ということがあったので書いていこうと思います。

ご相談内容

ご相談いただいた方は保育士をされている方で、歩くとかかとの裏から内側にかけて痛むということでした。

痛みが出たときの様子は、椅子に座りデスクワークをしていたときだったそうで

仕事が終わり、椅子から立ち上がり歩くと

あっ、足の裏が痛い!

と踵に痛みが出ていたようでした。

来院はそれから5日後で、来院時には以下の場所に圧痛が出ており熱感もありました。

評価

足部は

回内足で足底筋膜の硬さも出ており、

踵骨部の↑の部位に圧痛とやや熱感があり足底筋膜炎かなー?と考えました。

しかし

妙なのは

イスから立ち上がった後に踵の痛みが出たということ

走ったり激しい運動後でもないそうなので

なんだかモヤモヤしていました。

ということで、足底筋膜炎と決めつけるには少し早くて

やはり全体的な評価が必要です。

全体的に体をみると気になった個所は

骨盤前傾位で

仙腸関節の動きの悪さ

また梨状筋やハムストリングスの緊張も強くなっていました。

ここで

もしかしてと考えたのは

坐骨神経の絞扼、牽引(回内足でもあるため)から脛骨神経や足底神経に緊張が波及して足底の痛みに繋がったのではないかということ

坐骨神経の延長で足関節の後内側には脛骨神経があり踵の内側にかけて踵骨内側枝があります。

また足根管を通り足の裏には足底神経があり、脛骨神経からの枝となります。

詳しくは坐骨神経痛には梨状筋?で坐骨神経の走行について書いていますので参考にしてみてください。

プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論より引用

ここで痛みの部位からもっとも怪しいのは

脛骨神経内側踵骨枝の障害

足底神経絞扼による症状はも少し前足側に出やすいです。

そして足根管にチネル徴候も見られません。

足底神経が足根管で絞扼されていると、足根管でチネル徴候がでますが

こちらも陰性で

脛骨神経内側踵骨枝は足根管を通りませんので、

そういったことからも内側踵骨枝の障害を疑いました。

かなりざっくり言うと

股関節付近で坐骨神経の絞扼

回内足による脛骨神経牽引

上で止められて下で伸ばされていると言った感じです。

かなりざっくり。笑

プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論より引用

仮説は立ったので

では、その仮説が正しいかどうか確かめるために

アプローチしていきます。

治療的診断

というやつです。

私たち鍼灸あ摩指師は画像診断が出いないため徒手での検査が必要になり

実際にアプローチすることで仮説が正しいか評価したりします。

それを治療的診断と言ったりします。

アプローチ

さて、仮説が正しいのか確かめるため、

さっそくアプローチしていきます。

はじめに患部外からアプローチします。

鼠径部や内転筋の硬さから骨盤前傾させる筋を緩めていき

それからストレスがかかっていたと考えられるハムストリングスや外旋筋、仙腸関節にアプローチします。

ここまでの介入で、踵部の圧痛を確認すると

踵骨内側の痛みは消失

踵骨底の痛みはだいぶ落ちるが少し残るとのことでした。

となってくると

やはり、足部だけでなく

骨盤部から坐骨神経の影響はかなり大きかったと考えられます。

最後に回内している踵骨含め、足部にアプローチしました。

炎症があるため、痛みがなくなりはしませんが

炎症を引かせるためのアプローチと股関節や足のトレーニングを伝えました。

まとめ

足底筋膜炎と考えられる症状のご相談があり

足部だけの治療で良くならないケースがあります。

今回のケースでは、足底筋膜炎ではなく内側踵骨枝障害だったと考えられます。

坐骨神経の緊張を落とすために股関節へのアプローチが必要でした。

こういったケースは足部だけのアプローチでは、なかなか改善しません。

足が痛いと言う患者様でも

私たちは患部だけでなく

広い視点をもって全身の評価をして、

痛みの原因を見極めてアプローチしていくことが必要ですね!!

今回は以上です!

この記事が若手治療家やトレーナー、その先の患者様の役に立ちますように。

じゃあ、またね〜!!

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