肩の痛みに対するアプローチ

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こんにちは!

今日は先日出会った肩の痛みについて書いていきます。

右肩を外転、屈曲すると肩の前面(↓オレンジの部位)に痛みが出ると相談されました。

このあたりが痛むという相談はよく受けますね。

新人のころは痛い場所や硬い場所をほぐしがちですが

この手の痛みに患部を直接アプローチしてもなかなか治りません。

では何をするのかというと、

まずアライメントをよく見ます。

評価

患部だけでなく全身のアライメントや可動域をチェックします。

なぜ肩だけでなく全身かというと

体は全身で協力し合って動いていますし、アナトミートレインのように筋膜で全身がつながりを持っているので、症状のある場所が肩だけでも全身を見て考えることが大事だと思っています。

さて、この方のアライメント

肩甲骨外転前傾位

胸郭伸展制限(屈曲位)

患側肘伸展制限(軽度屈曲位)が見られます。

頸部左側屈への制限

右の腸腰筋の硬さもあります。

肘・肩甲骨・胸郭・頸部へのアプローチが必要と考えました。

アプローチ

肘が屈曲位にあると、上肢の質量中心は前腕にあるため肘屈曲位のまま肩はやや伸展位になり、肩甲骨は二頭筋に引かれ前傾し、小胸筋の緊張が生まれます。

また肩甲骨前傾とともに胸郭も屈曲位に入りやすく円背になりやすくなります。

すると胸鎖関節の動きも悪くなり頸部の緊張も生まれ、胸郭屈曲位とバランスをとるため起立筋や腰方形筋が緊張するなどなど、たった肘のアライメント変化でも広く影響が広がります。

そういったことを踏まえて肘の伸展制限を解くことが大事です。

肩甲骨の前傾を考えても二頭筋は緩めたいところですが、腕橈骨筋や回内筋の硬さが目立ちどうやらこのあたりも肩にストレスをかけているようです。

腕橈骨筋も肩の緊張に影響を与えますし、回内筋も前腕の動きを制限し肩に負荷をかけるためここにもアプローチします。

肩甲骨

また肩甲骨前傾位

試してもらうとわかると思いますが肩甲骨を前傾したまま肩を外転すると肩が引っ掛かり腕が上がりません。

そして肩甲骨外転位では、棘下筋や三角筋後部繊維の硬さが生まれやすく

その硬さにより上腕骨が前上方変位してしまい、二頭筋長頭腱や三角筋前部繊維にストレスをかけてしまうんです。。。

そのため、前鋸筋や胸筋、僧帽筋、肩甲挙筋などから肩甲骨の位置を戻して胸鎖乳突筋や斜角筋より胸鎖関節の動きの悪さを解消します。

肩甲骨を内転させる僧帽下部繊維の反応が落ちて肩甲骨の安定性が低下していることもあるため

肩甲骨内転トレーニングをして動きの中で肩甲骨の安定性を取り戻すことも必要です。 

ここでは↓の本にあったウォールエンジェルをチョイスしました。

胸郭

そして胸郭ですね。

胸郭屈曲位では、肩甲骨の位置も悪くなりやすく肩に大きく影響が出ます。

参照→肩の痛みと胸郭の関連性

胸郭に制限がある場合、肩甲骨のアライメント変化や頸肩部の緊張を生みます。

その胸郭の制限を解くことが肩の症状に対してすごく大事なことだと思っていて

その胸郭の制限を解くために腸腰筋や腰方形筋や骨盤のアライメントを見ることも必要になります。

骨盤については長くなってしますので割愛しますが、

腸腰筋はアナトミートレインを見ても、胸郭や斜角筋とのリンクがあり

肩の治療の中で大事な筋になります。

それらの筋から胸郭の制限を解き

肘、肩甲骨、胸郭のアライメントを戻し頸部へもアプローチします。

さらに棘下筋や三角筋後部繊維の硬さを緩め上腕骨の変位を戻したところで

とうとう患部にアプローチをかけます。

(ここまで長かったですねー。。。笑)

患部はストレスがかかり疲弊しているためしっかり緩めていきたいところですが、

炎症所見の確認は必ず必要です!

当然ですが、炎症しているところにアプローチをかけていくと

せっかく施術しているのに痛みを強くしてしまう可能性があります。

炎症所見はしっかりと確認していきましょう。

今回は炎症所見がなかったため、アプローチしていき

動きの確認をしてもらうと屈曲も外転も痛みなく動けるようになりました!!

まとめ

肩の痛みを治療する際に、痛みの患部へのアプローチも必要ですが

その前に全体のアライメントを確認して、肩へ悪さをしているものをまず改善してから患部にアプローチをします。

なぜ患部外からアプローチするのかと言えば

いきなり患部にアプローチかけても、良くならないか効きがかなり悪いからです。

患部が痛くなったということにはそれなりの原因があるので、その原因を探して改善していくのが

私たちの治療家の仕事だと思っています。

今回のアプローチ↑はあくまで一例で

当然すべての患者様に当てはまるわけではないのでご注意ください。

何よりその患者様のアライメントをよく見て、それが患部・症状にどう影響するのか考察して治療することが大事です。

今日は以上です。

この記事が若手治療家やその先の患者様の役に立ちますように。

んじゃまたねー!!

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