先日、体操選手の治療をしている時に
「最近、下半身が繋がっている感じがしないんです」
という相談を受けました。
んー、
繋がっていない感じとは?
今回は「下半身がこの繋がっていない感じ」
という相談へのアプローチのお話をしていきます。
こんなことがあったよーといった日記的な内容なので、お気軽に読んでください😁
下半身が繋がっていない感覚
「下半身が繋がっていない感覚」
トップアスリートならではの相談だと思います。
毎日、自分の体と向き合っているアスリートは自分の体の変化にとても敏感なんです。
治療をしていても、体の小さな変化に気付いたり、動きの中でいつもと違う違和感を敏感に感じとります。
しかし、それは今回の相談のように抽象的なこともあります。
しかし、トレーナーとして選手のパフォーマンスが下がっていて、それが選手のストレスになっているのであれば、解決しなくてはいけません。
そこで話を詳しく聞いていくと
「下半身が繋がっていない感覚で全体的に動きのキレが悪い。」
「跳馬で走る時には走れている感覚がない。」
といいます。
いつから違和感があったか聞くと2月後半から少しずつ違和感があって、3月半ばからはしっかりとした違和感があったそう。(今回相談を受けたのは4月の初め頃)
きっかけはあるのか聞いていくと
「陸トレを始めてからかもしれません。」
と言います。
陸トレとは、簡単に言うと走るためのトレーニングの事です。
体操選手は跳馬の時の走り方が独特でスピードが遅い選手が多いんです。
跳馬が得意な選手は走るスピードが速い選手が多いことから、トップレベルの選手たちは陸上のコーチを招いて走り方の指導を受け跳馬の競技力向上を狙っていました。
トレーニングの内容は、走る時には脚を振り下ろし、地面を蹴るように走ります。
臀筋やハムストリングスなどに刺激を入れて前方に蹴り進んだり、前方に跳ね進むようなトレーニングもありました。
原因を探る
陸トレをしてから調子が悪いような気がする。
という話がありましたが、それが原因とは限らないので、いろいろ話を聞いていきました。
この選手は他の選手に比べても普段から練習をハードに重ねていく傾向にあり、注意しようと話をしていた選手でした。
そのため、オーバートレーニングかもしれないとも思っていました。
そんなことを考えながら治療を進めていると(このとき治療の主訴は肩の痛みでした。)
初めから気になっていたのですが、腰部に目が行きました。
腰部が通常より後弯しています。
もしかしてと思い確認すると
大腰筋の反応が落ちていました。
大腰筋の反応が落ちると、腰椎の前側の支えが弱くなり前後のバランスが悪くなります。そして腰椎の前弯が弱くなることがあるんです。
おそらく陸トレで股関節伸筋群への刺激を入れているうちに
股関節屈筋群、腸腰筋に抑制がかかり腰部の前部分の支えを失い、動きの中で連動が取れなくなってしまったのではないかと考えました。
仮説が正しいのか確かめるためには、トレーニングをするしかない!
選手に腸腰筋のトレーニングを体幹との連動が取れるような種目もいくつか交えて伝えました。
↓例えば動画で紹介されているマウンテンクライマーなど
そして、翌週
あれからどんな感じ?と話を聞くと
「めっちゃ動きのキレ良くなりました!!まだ走る時の違和感は少し残るけど、動きやすさが全然違うので練習をしていてストレスが全然ないです!」
と喜んでくれていました✨
やはり腸腰筋の反応が落ちていたことによって、動きの中で体全体がうまく連動できなかったのでしょう。
まさに
繋がっていない状態
選手自身が動きの中で「繋がっていない」と感じられるのは凄いことだなと思います。
トップアスリートの体への感覚ってすごいなーと感じた一件でした!
終わりに
アスリートの中には体の不調を細かく感じる方もいます。
それは表現が抽象的なこともあります。
この辺がなんかイヤーな感じなんです。
とか
そんな抽象的な話を
細かく聞いていき、仮説を立てながらクライアントと一緒に解決していくのも
トレーナーや治療家の役割ですね!
今回は以上です!
たまにはこういう日記的な内容も投稿していきます。
このブログが若手治療家やトレーナー、患者様の役に立ちますように✨
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