今日は最近よく見る腰痛について書いていこうと思います。
コロナウィルスの流行でテレワークが普及して、通勤がなくなり働き方が変わってきています。
お話を聞くと、「自由な時間が多くなった」や「朝ゆっくり寝ていられる」などメリットが聞かれる一方で
「仕事用に用意していない机やイスで仕事をするため、腰や肩がつらい。」
「オフィスだとトイレに立ち歩くが、家だとほとんど立ち歩かない」
などデメリットも聞かれます。
腰痛が多くなった
中でも気になるのは、腰痛が多くなったと感じられることです。
慣れないイスや机ということもあると思いますが、通勤もなく立ち歩かないため
座位の時間が長く、つまり股関節屈曲位の時間が長く
歩くことによる股関節の伸展リセットがかからない。
電車に揺られることもなくずっと座っているため体幹筋も弱っているのではとも思っています。
さらに、座位で骨後傾位で腰椎の前弯が消失あるいは弱くなるため椎間板に対する圧が高くなります。
筋疲労による腰痛も見られますが、上記を背景と考えられる椎間板由来の腰痛も数名見られました。
骨盤後傾による腰痛
脊柱はS字カーブがあるから脊椎や椎間板にかかるストレスを分散させることができます。
上で述べたように骨盤後傾位では腰椎の前弯が弱くなってしまうので、椎間板への圧が高くなったり、後弯するにつれ椎体間が後ろ開きになって髄核が後方に移動してしまいます。
放っておくと椎間板症や腰椎椎間板ヘルニアになってしまうリスクもあるので、どうにかしたいところ。
デスクワーカ―だけでなくアスリートもこういったアライメントで腰痛を訴える選手を多く見かけます。
こういった症状の方は、骨盤を後傾にもっていくハムストリングスの緊張が強かったり
加えて腰方形筋の硬さも強くなり仙腸関節の動きの制限が出ているケースも見かけます。
アプローチ
アプローチ一例として
まず、当然ですが
ハムストリングスを緩め骨盤後傾を戻します。
仙腸関節の制限を解くために腰方形筋にもアプローチします。ハムストリングスはアナトミートレインを見ると仙結節靭帯との連結もあるため仙腸関節の為にも欠かせません。
腰方形筋の硬さや緊張も原因は様々なためよく見極めましょう。
ここまでで骨盤後傾が改善してきたところで
もう一つ確認
腸腰筋の反応が落ちていませんか?
チェックとしては、仰臥位で膝関節屈曲位で股関節屈曲に対するMMT
※腰痛が強い方には強度が高いかもしれないので注意
骨盤後傾位の方で多いなと思う特徴の一つに
股関節がうまく使えない
があります。
どういうことかというと、前屈するときに股関節の動きが少なく上半身のみで前屈する方が多くみられます。
そういった方には股関節の屈曲を意識して使うように指導したり、ヒップヒンジ動作のエクササイズを伝えることも有効だと思います。
腸腰筋の話に戻します。
アスリートによくみられるなーと思うのですが
股関節がうまく使えないまま動くため
腸腰筋の反応が落ちる人もいます。
こうなると、腰椎を前面から支える(引っ張る)筋の反応が落ちるということになるので
後方弯方向への制限がなくなり、さらに骨盤後傾、腰椎後湾方向に進んでしまいます。
腸腰筋の反応が落ちている人には、股関節屈曲トレーニングをすることで
バランスが整うこともあります。
※今回はあくまで一例のため、よくアライメントを見て施術にあたりましょう。
若手治療家にあるあるですが、手技を患者さんに当てはめるのではなく患者さんに手技を当てはめるようにしましょう。
まとめ
テレワークの普及に伴い、腰痛の患者さんが増えました
その中で骨盤後傾によって椎間板にストレスがかかり腰痛となっているケースがよく見られます。
アプローチとしては後傾方向にへの緊張や硬さを緩めて仙腸関節の動きも改善させる。
時には股関節屈筋の反応を出したり、ヒップヒンジ動作のエクササイズを伝えて股関節の動きを取り戻ことで
静的にも動的にもバランスをとることで改善する人が多いと思っています。
ということで今回はここまで!
この記事が若手治療家やその先の患者様の役に立ちますように。
んじゃまたねー!
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