手首の治療に、なぜ首へのアプローチが必要なのか

つぶやき

今回は

手首の治療に、なぜ首へのアプローチが必要なのか

というテーマで書いています!

私が学生トレーナー時代のお話しですが

その当時見ていた選手で手首が痛いという選手がいて

その選手を日本代表のトレーナーの方に治療していただきました。

その時

首が良くないねー

と言いながら、手首が痛いのに首から治療をしていました。

そして、治療後に選手が

あっ、全然痛くないです!

と言って、

何それ!魔法か!?

と驚いたのを覚えています。笑

その当時の私には

手首が痛いと言っているのに、首から治療をする意味がさっぱりわかりませんでした!

しかし今私自身が手首の治療をするとき

首へのアプローチをすることは少なくないです。

というかほぼ首へのアプローチはしています!

なぜ手首の痛みに対して首へのアプローチをするのかといえば

1.肩や肘、手首の動きの制限になるから

2.手をついたときに荷重位置が変わるから

3.神経の絞扼に伴う手首の痛みが起きるから

それぞれ書いていきます!

1.肩や肘、手首の動きの制限になるから

まず、「肩や肘、手首の動きの制限になるから」です。

どういうことかというと

実例の紹介

肩甲挙筋や僧帽筋の緊張で肩甲骨挙上、前傾位

それに伴い上腕二頭筋の短縮や肘の屈曲が起きます。

さらに、橈尺関節の動きが制限されることで

遠位橈尺関節のバランスが崩れて、手関節尺側の尺側手根伸筋腱に痛みが出ている

なんて方もいます。

また肩甲骨外転位で、肩甲骨、胸郭の動きの制限がある方も

僧帽筋、胸鎖乳突筋や斜角筋の緊張が出ていて鎖骨の動きの制限となり肩の内外旋の制限が生まれ

手をついた時に肩の動きが悪いために、肘や手関節に負荷が大きくなり

手関節に痛みが起きるケースもよく見ます。

このように

頸部の緊張により肩の動きの制限が出ると

肩の動きを代償するため

手関節にストレスが大きくなるケースが少なくないです。

こう言ったケースでは、痛みがあるのは手首ですが

頸部や肩の動きの改善をするためのアプローチが必要になります。

2.手をついたときに荷重位置が変わるから

次に「手をついたときに荷重位置が変わるから」

手首の痛みを訴える方で

手をついた時に痛いという方がいます。

一回の着手で痛めたのではなく

着手動作を繰り返して、痛みが発症した方についてです。

ここで考えたいのが

どこに荷重がかかるのか

ということ

通常であれば、手首全体で負荷を分散することができるはずですが

例えば上記1の例であったように

肩甲骨挙上、前傾に伴う肘の伸展制限がある場合

肘の動きが制限されていることで、同じ着手動作でも

橈側や尺側に荷重が偏ってしまうことがあります。

どゆこと?

ちょっとよくわからない

という方は

その場で手をついて四つ這いになってみてください。

そして

肘を曲げたり、伸ばしたりしてみましょう。

すると、手関節への荷重位置が変わることがわかると思います。

肘の動きが制限されると、荷重位置が偏り、それが繰り返されることで

小さな負荷でも蓄積されて痛みとなります。

そういったケースでは

負荷がかかり硬くなったて関節へのアプローチも大事ですが

荷重が偏る原因となっている頸部から肘へのアプローチが必須になります。

3.神経の絞扼に伴う手首の痛みが起きるから

次は「神経の絞扼に伴う手首の痛みが起きるから」

こちらも実例から

頸部の緊張が強く、肩が挙上している方で

斜角筋や胸部の硬さもみられ鎖骨の動きも悪い状態

主訴は手を着くと

局在のはっきりしない手関節背側から前腕伸筋にかけての痛み

上肢の緊張も強くでています。

手関節や前腕、肘の制限も出ていて

上肢へアプローチしても、症状は少し改善するが

大きな変化は得られない。

そこで、頸部や胸部へアプローチすると

痛くないです!

上肢へのアプローチをして、大きな変化がなかった後

頸部胸部へのアプローチのみで症状が改善しました。

この方のケースでの考察として

上肢の緊張が強く手関節の動きの悪さはあったものの

それ自体が直接痛みの原因だったのではなく

痛みの原因になっていたのは腕神経で特に橈骨神経が考えられ

絞扼部位として考えられるのは、鎖骨下もしくは小胸筋。

この絞扼を解くためには肩の挙上や鎖骨の動きを改善する必要があり

肩の挙上を戻すため肩甲挙筋や僧帽筋

鎖骨の動きを取り戻すために胸鎖乳突筋や斜角筋、僧帽筋

など頸部に対するアプローチが必要になります。

まとめ

手首の痛みに対する治療で、患部である手関節だけでなく

頸部へのアプローチも必要です。

手関節の治療でなぜ頸部にアプローチをするんだ!!

と疑問に思うかもしれませんが

1.肩や肘、手首の動きの制限になるから

2.手をついたときに荷重位置が変わるから

3.神経の絞扼に伴う手首の痛みが起きるから

など、頸部の状態の悪さが手関節に影響を及ぼしていることがあります。

手関節の痛みに対する治療で患部へのアプローチだけで変化が起きない場合

頸部へのアプローチなど視野を広く持つことが大事です。

患部だけの治療は正に

木を見て森を見ず

という言葉がばっちり当てはまります。

私が治療する時には頸部へのアプローチでも

アナトミートレインでのつながりを考えて腸腰筋へのアプローチをして

患部自体には関節の正しい動きを取り戻すアプローチもしています。

関節の正しい動きについては

AKA関節運動学的アプローチー博田法第2版ーがおススメです。

患部も全体のアライメントも大事です。

患部だけでなく全体のアライメントを見て治療しましょう!

今回は以上です。

この記事が若手治療家やトレーナー

その先の患者様の役に立ちますように。

では、またねー!!

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